自立させる甘えと駄目にする甘えとは?

歩いている子ども

子供は甘えと依存の状態でスタート

産まれたばかりの赤ちゃんは、ママに依存して生きていく以外に方法はありません。
そして成長するに従い、少しずつ自立が始まり、食事の摂取、おむつからトイレ、と一人で行動できるようになっていきますが、精神面の自立は目に見えないためわかりにくいのが現実です。
子供の精神面は「依存」と「自立」が共存しながら、少しずつ自立に向かっていくとされています。
産まれてきたとき、生活全てをママに依存する状況はこどもの心を安心・安定させ、親に甘えた状態で成長を始めるのですが、徐々に、自分の気持ちを持ち始めます。

依存と自立を繰り返す中で成長に向かう

つまり親に依存することで精神的には安心できるのですが、その中で「思ったとおりにしたい」という自我の「意識」が生まれてきます。
そして「不自由」に思い始め、親の手を借りずに、自分ではまだできないスプーンを持って食べることや服の着替えさえ、自力でしてみたくなる、いわゆる「自我」に目覚めるのです。

いわゆる2才前後の世にいう「イヤイヤ期」で、自我に目覚め自立して世界生活してみても、出来ると思ったことが思い通りには出来ず、こどもは「不安」な気持ちになります。
その不安感のために再び、親に依存していた安心できる過去に戻ろうとしますが、それが甘えです。
その甘えの時期に安心できると再び不自由に思い始めて、自力でやってみたくなるので、これを繰り返しながら育っていくのです。

依存に戻った無理に自立に向かわせない

こどもは「安心」と「不安」を繰り返しつつ自立へ向かい成長しますが、このプロセスの中で不安を感じて甘えに戻る場合は十分受け入れる事がポイントです。
このとき甘えを許さず、自分でやらせようと突き放すと、自立しようとして不安になったら戻るところがないと感じて、依存体質を続けます。
この甘えに対しては、しっかりこどもの気持ちを受け入れ、甘えさせる事がポイントです。
しかし、こどもの依存をすべて聞いてしまうことは、避けなければなりません。
甘えは子供の成長に必須ですが、甘やかしてしまうことは子供の成長を阻害するからです。

甘えと甘やかしを見分ける

1.「おやつ」や「おもちゃ」などの物質的要求についてはルールを設けてそれを最優先にし、単にヒザに乗って甘えてくるなどの精神的要求であればできるだけ聞いてあげましょう。
2.子供が自力で服のボタンを留めるようとする努力をしている時に早くしてほしいと、親が手を貸してしまうのは好ましくありませんので、出来る限り自力でできるのを待つようにします。
逆にこれまで一人で着替えられたのに「ママ、ボタン留めて~」と甘えてきたら、精神的な甘えですので手伝ってあげましょう。
成長に必要な甘えは、こどもの側から親に対するアクションで精神的なモノということになります。