予防接種のリスク

赤い水

予防接種を受けないという選択をする親たち

ここ最近、子供に受けさせることが義務付けられているワクチン摂取についての議論が過熱化しています。
この動きはもともとは米国でにわかに流行をするようになった「アーミッシュ」という宗教団体がとっていた生活スタイルを参考にしたものとされています。

本来的なアーミッシュは、ドイツ系移民であり濃厚や牧畜など自給自足による生活を頑なに守るというものだったのですが、現在ではよりゆるい形でアーミッシュのスタイルを参考にした生活を送る人が増えておりその中で提唱されたのが「ワクチン拒否」だったのでした。

日本においては2014年ころから我が子にワクチンを摂取させたくないと主張する親が増加しており、義務として通知をしている自治体としても非常に気を使うところとなっています。

確かにワクチンは人によっては強い拒絶反応を示すことがあり、摂取により逆に重篤な病気を発症してしまう人も存在しています。
ですがワクチン接種というのは天然痘のように非常に致死率の高い病気を予防するために開発されたものであり、実際天然痘はワクチン接種を義務にした時より劇的に患者数を減らしています。
そうした過去の功績を考えればワクチン接種そのものを否定するというのは医学の歴史の否定ということにもなります。

予防接種を受けさせないことが虐待と認定される場合も

ワクチン接種の反対派の主張となっているのが、「国民全体を病気から守ることができれば、ワクチン摂取で拒絶反応が出る数人の命はどうでもよいと思っている国や医師団体に反対したい」ということです。

一見正しい主張のようですが、その裏側にはワクチン接種によって助かるかもしれない多くの命についての想像力が大きく欠落しています。
ワクチン接種をすることで病気を防ぐ効果はあるものの、また一方でワクチン接種をしても完全に病気を防ぐことができないこともあります。

さらに生まれた年代や引っ越しなどの都合により偶然に接種ができなかったという人もいます。
もしワクチン接種を任意のものとしてしまった場合、例えば毎日乗っている電車やバスの中に重大な病原菌を保有した人が乗ってくる可能性があることになります。

自分の子供が通う保育所や学校内にあえてワクチン接種をさせない子供が大勢いるとしたら、親としては心配で学校に行かせることもできません。

近年では国が義務付けているワクチン接種を意図的に拒否した場合、その親を虐待によって訴えることができるという判決も出されています。
ワクチン接種におけるリスク問題は今後も多くの場所で議論されていくことと思います。