子供のしつけは三段階を経る

遊具で遊ぶ子ども

年齢をおって「従順期」・「反抗期」・「反省期」を経て成長する

こどもへのしつけは、覚えさせればそれで終わりというわけにはいかず、年令をおって「従順期」・「反抗期」・「反省期」と紆余曲折があります。
親の世代となっても自分を振り返れば、親の言うことに一つ一つ反発を感じた「反抗期」をよく覚えている人は多いでしょう。
こどもをしつけるに当たり、成長には3つのステップがありその時期の子どもの心の状態を予め想定しておくとこどもに対する接し方や対処法も自ずと変わってくると思われます。

親の言うことに素直に耳を貸し従うことが出来る従順期

概ね10才前後までのこどもは、親の言うことに素直に耳を貸し、従おうとします。
親からの指示や依頼には、何であれ「はい」と素直に答えるのは、世の中のことが分からず親だけが頼りだからです。
また親に褒められて欲しい気持ちから、いい子であろうとして素直に従ってくれる面もあります。
このころのこどもが、従順で最もかわいいこどもらしい時期であるともいえます。
ただ、この10才頃までに身に付けた行儀や作法は、将来にわたり忘れにくいもので、また大人になってから習得させるのは困難なモノでもありますのでこの時期のしつけは大事です。

一時的に親に対する態度が悪くなる反抗期

10才をすぎる時期から、こどもはだんだんと親が使ってほしくない汚い言葉を覚えて使い始めます。
一方、幼児期からこれまでせっかく覚えさせてきた行儀を故意に守らなくなり、親の手を煩わせるようになり、10代の中盤過ぎにエスカレートしてピークに達します。
まるでこれまでしつけてきた行儀を忘れてしまったかのような振る舞いに、今までの苦労が無に帰したかのように思えますが、反抗期が訪れたことはむしろ安心材料ですので嘆く必要はありません。
反抗期はこどもが大人になるための精神発達の1プロセスで、反抗期が来たということは真直ぐ成長している証拠とも言えます。
ずっと継続するわけではないので、しばらく我慢が必要です。

しつけの大切さに気づき、再び礼儀がよくなる反省期

反抗期を無事に通過して、概ね20才代中盤を過ぎる頃には少しずつこどもの態度が変化し、一転して反抗が無くなります。
中学や高校、大学の人間関係などの各種の経験を通して、こどもの経験量が増大し、他人と自分とを冷静に比較することが出来る様になり、これまで、面倒くさいと感じていた親からのしつけのありがたみに気づき始め、反省するのです。
口うるさかった言葉の中に深い思いやりや愛情があったことに初めて気が付き、反抗期の自分勝手で何でも親に反発していた行動を恥じ、反省するのです。
それに対応して、態度も従順になってきます。
このようなこどもの心の成長ステップを予め知っておくと、反抗期が訪れても冷静に対応できます。