「ありがとう」「ごめんなさい」の強要はNG

良し悪しの区別がつかないことも多いので強要はしない

子どもには常識としっかりとしたマナーを覚えて欲しいと思います。
基本的なこととして、何かをしてもらった時は「ありがとう」、他の人に迷惑をかけた時は「ごめんなさい」という言葉を出すことは覚えていかないといけません。
しかし、時に「ごめんなさい」と言うべきところで言えない子どももいます。

そのような時も、適切な言葉を出せなかったからと親が怒ったり、「ごめんなさい」もしくは「ありがとう」と言うように強要することはNGです。
というのも、子どもは場合によって自分が何か他の人に迷惑をかけるようなことをしたとは認識していないこともありますし、そもそも多くの点で良し悪しが付かないことが多いからです。
その状態で無理やり言わされたとしても、真の意味での「ごめんなさい」が心から出てきませんので意味がありません。

親が日常的に模範を示すことが大事

子どもは親の行動や言葉を真似て成長していくものです。
それは、「ごめんなさい」とか「ありがとう」という言葉の使用についても同じです。
日ごろから親が子供と向き合う時間の中で、また他の人と接している時にしっかりとこうした言葉を使って、しかもそれを態度や表情で示していれば、子どもも自然と使うようになります。

ここで大事なのは、家の外でだけ使うのではなく、家の中で、特に家族の中で意識して適切な言葉を使うようにするということです。
子どもというのは意外と親の変化に敏感で、家の内外での違いがあると、本当はしなくてもいいものと思ってしまうことがあるのです。
子どものためにも、まずは大人が日常的にきちんと「ごめんなさい」、「ありがとう」と言うように心がけましょう。

親が子供のために謝りそれを後から説明する

こうして手本を日常的に示すことに加えて、実際に「ごめんなさい」と言うべきシーンが出てきた時は、もし子どもがすぐに謝ることができないのであれば、親が代弁して謝るようにしましょう。
その姿を子どもに見てもらうことで、自分が悪いことをしたということを理解しやすくなります。

そして、後でどうして謝らないといけないことだったのか、今度同じようなことが生じた時には、どのように謝るかを丁寧に説明してあげるようにしましょう。
その際には、感情に任せて怒るのではなく諭す、つまり子どもにも分かりやすいように話し、納得させることが大事です。

謝るとか感謝するといった言葉は、単に表面上のものではなく、心から出るべきものですので、子どももどうしてそうした言葉を使うべきかを理解することが欠かせないのです。
そうすれば、そのような言葉を使うという習慣を身に着けるだけでなく、謙遜で心の優しい子どもに育っていくことでしょう。