子供にテレビを見せる時の注意点

リモコン

TVはメリットの反面悪影響も

TVはこどもにとって現実とは異なる様々な世界を映しだし、多大な魅力的な影響をもたらします。
もちろんTVの刺激はこどもに良い影響も与えますがデメリットも有していますので、TVの悪い影響を出来る限り排除するようにしながら、TVを上手に活用していくことが望まれます。
メリットとしては例えば、TVを親と一緒に見ながら、こどもと親が気持ちを共有出来たり、画面を指して質問したり、等親にアクションを起こし、親子の意思疎通に役立つツールとして有益なことが挙げられます。

こどもにTVを見せることの悪影響

日本小児科学会はTVやビデオを長時間見るこどもは言語の発達が遅れるリスクがあるという提言をまとめました。
特に長時間TVを見る幼児は意味ある言語を出現する時期に遅れを生じ、日頃、親子間で意思疎通が取れていない家庭の場合は顕著だそうです。
厄介なことに、多くの親は言葉の発達の遅れがTVの影響であることに気が付いていないのです。

具体的な報告内容では、TVやビデオを長時間視聴している幼児の中から言葉の発達が遅れ、表情の変化が乏しく、親と視線を合わせない傾向のあるこどもを選んで、TVの視聴を停止させると一定割合の幼児は症状に改善が見られました。
逆に、TVが子守り役だったり、ビデオを繰り返し見ることにより約6か月の期間で症状が進行する例も報告されています。

特に、一日4時間以上にわたりTVやビデオを視聴した幼児は、4時間未満にとどめた子どもと比較すると、言葉が出る時期が遅れる率が顕著でした。
TVやビデオを長時間視聴していなくとも、こどもの周囲でTVが長時間つけっぱなしであれば同様の傾向が指摘されています。
またTVが付いている家庭では親の生活の中心もTVであることが多く、親子のコミュニケーションも十分でないことも一因の様です。
TVを親子で一緒に視聴しているとき、こどもは親の表情をのぞき込んで共感を求めたり、画面を指さしながら話しかけるなどのアクションを起こし、コミュニケーションを取ろうとしたりします。

しかし、例え親子で一緒にTVを見るこういう行為も、通常の生活とは異なり、親子が向き合ってコミュニケーションを取る時間は短く、言葉の発達は遅れてしまうのです。
こども一人でTVを見る等、親の関わりが少ない長時間のTV・ビデオ視聴をするこどもの言葉の発達が遅れる率は顕著に高く出ています。
ところが、TVの言語発達への影響を心配するというより、逆に言葉や知識を発展させるためにいいと勘違いして見せる親が多いことも憂慮すべきことです。

TVを見せる場合の注意点

悪影響を極力抑えてTVを有効に活用するために気を付ける点は、長時間の視聴を避ける、こども一人をほったらかしにして見せない、食事中はTVを消す、こども部屋にはTVを置かない、家庭内でTVに関するルールを決める事などが有効です。
また、こどもに守らせる以上、親自身もダラダラと見てはいけません。