チャイルドマインダー

イギリス

発祥地のイギリスでは古くから国家職業試験として認定

日本ではチャイルドマインダーの名前は普及しておらず何を指すのかわからない人が多数でしょう。
イギリスでは元々チャイルドマインダーは、一世紀以上の長い歴史をもち、専門的な知識を活用したレベルの高い保育スキルを身に付けた人のみがその名称で呼ばれていました。

イギリスでは1990年には正式に、法律上も「国家職業資格」と認められるようになり、国が指定する機関が資格を認定する形式をとっています。
チャイルドマインダーは知名度が高いだけでなく保護者から絶大な信頼を持たれている資格・職業で、保護者の求めに応える高品質な保育を実施できる保育のスペシャリストとして、多くの家庭に支持されます。

日本国内にも英国の機関から認定を受けて、チャイルドマインダーになれる講座のあるスクールもあります。
具体的な働き方は、自宅や近所に保育ルームを開いたり、利用する保護者の元に訪問して保育する働き方が代表的です。
独立開業以外に、企業等に勤務して従業員の子供を保育するケースもありますし、現役の保育士などの技術向上にも活用されます。

チャイルドマインダーが担う仕事内容

チャイルドマインダーは、アットホームな小規模で家庭的な保育を実現する少人数保育のスペシャリストで、これが最大の特徴と言えるでしょう。
保育園や幼稚園のような施設で実施される集団保育と異なり、子供と個別に向き合うようなアットホームな保育を担います。
ベビーシッターとの違いは、単に子守をするのみならず、精神面や学習面の指導や健康管理を行い、子供の成長に携わる点です。
子供を中心とした高品質な保育を実現しつつ、1人ひとりのオリジナリティを大事にし、周囲への依存から自立へと導きます。

子供の存在を深い愛情を持って受け止めながらも、自ら発想する力をはぐくみ、自立心を保護者とともに育て上げます。
とりわけ大切なことは、子供の個性を分かったうえで、行動とその背後の感情に気付いて、適切な対応が取れるだけの感性を備えて、子供とフェース・トゥー・フェースで向き合い1人格を有する人間として接する態度がポイントです。
また、子供の健康や安全を守る責任感や親との信頼関係を作る人格、保育・教育関連のハイレベルで広範な知識とスキルが求められます。

保育業界の展望

近年の保育を巡る環境は、男女共同参画・女性活躍等の政策の影響もあり、目まぐるしいスピードで変貌しつつあります。
国は解消の進まない待機児童問題の解決に向け、保育園の設置を進めると同時に、企業内託児所の設置も拡充を促しています。
企業内に設置する託児所については近年の人手不足から、従業員確保のために進める企業も増加傾向にあります。
このような状況の下、保育士不足は深刻な問題で保育士の人材ニーズは高まりを見せ、さらに質の高いチャイルドマインダーの活躍フィールドは拡大が見込まれます。